父 真弓定夫のこと

薬や注射を使わない小児科医

真弓 定夫 プロフィール

1931年3月6日、東京都生まれ。東京医科歯科大学卒業後、佐々病院小児科医長を勤務。その後1974年武蔵野市吉祥寺に真弓小児科医院を開設し、40年以上にわたって診療を続ける。
“薬を出さない・注射をしない” 真弓独自の子育てを提唱。2003年に社会文化功労賞受賞。2021年11月18日没 享年90歳。

ドキュメンタリー映画

すべての“力”は あなたの中にある

東京都吉祥寺にある「真弓小児科医院」。この小さな診療所に「名医」との評判を聞きつけた人々が全国から訪れる。院内にはクスリも注射も無く、その代わり医師 真弓定夫が一人ひとりに充分な時間をかけて「生活習慣」のアドバイスをする。
「病気を治しているのは、医者ではない。自然治癒力だ。」
時代と共に失われつつある”生命の力”…。
真弓は自ら問う。
「忘れてはいないだろうか?私達は自然に生かされている、いち“動物”であることを」
真弓に出会って、生き方まで変わってしまったという親子も少なくない。現代社会の中に埋もれていく叡智を、生涯をかけて伝え続ける小児科医 真弓定夫、そして各界で同じように生命の力を信じ、歩き続ける人々を追いかけたドキュメンタリー。
監督:トキノツカサ企画 岩崎靖子

本作を手がけたのは、生命や社会の本質に目を向ける映像作品を数多く発信してきた制作会社トキノツカサ企画、監督は岩崎靖子さん。トキノツカサ企画は「いのちを知り いのちを認め いのちを現す」を理念に、生命・社会・教育・医療など、現代社会の根幹にかかわるテーマに真正面から向き合い、ドキュメンタリー映画や映像を通じて本質を問う作品を制作している。

トキノツカサ企画Website
https://tokinotsukasa.com/

著書(抜粋)

37℃のふしぎ―体温を守ろう!低体温が病気を招く (カン・ジン・カナメの健康教室)

『低体温』の及ぼす健康への影響を漫画でわかりやすく解説した、真弓定夫の信条の詰まった一冊。

表紙にも描かれている体温計。 この体温計の「37℃」の部分はなぜ赤いのか?? そこには意外な理由があった! 体温と免疫力の関係や、体温を上げるための方法などを漫画で分かりやすく解説した、体温に対する捉え方が変わる一冊。この本を参考に、体温を上げるように努めてます!という有難いお言葉も。

子どもたちに贈る12章

「医療・病気・生命・自然・人間・寿命・生きる・食物・家族・子ども・愛・死」。生きて行くうえで切り離せないこれらのテーマを通じて、現代社会で見過ごされがちな「人としての精神性」や「ひとづくり」の大切さを伝える。自然育児や食生活の見直し、子どもの生きる力を育むための視点が詰まった一冊。

自然流育児のすすめ 小児科医からのアドバイス1

近年激増している子どもの成人病やアレルギー疾患は、食生活や環境から自然が失われてきたことが大きな原因になっている。
子どもの体に「自然」を取り戻すために、小児科医として豊かな経験を持つ著者が、平易に語る子育ての智恵。
大きな子どもは体が弱い、子どもに牛乳は必要ない、薬で熱を下げてはいけない、体温の低い子は要注意等々、子育ての常識をくつがえしながら、丈夫な子どもに育てる食べ物や、発熱のタイプの見分け方、様々な病気への対処の仕方などを、具体的にアドバイスする。自然流子育てのバイブルとして30年以上のロングセラー。

医者だけが知っている本当の話

薬に頼らない小児科医 真弓定夫と、医療現場を告発する内科医 内海聡氏が、対談形式で現代の健康にまつわるあれこれを語る一冊。予防接種や薬の使用、現代医療の問題点について、医師の立場から率直な言葉が詰まっている。自然治癒力や日本人に合った生活習慣の重要性を説き、医療に依存しない健康な生き方を提案、医療の本質を見直すきっかけとなる一冊と言える。

父についての記憶

小児科医であった父は、生き物に備わっている自然治癒力に最大の信頼を寄せておりました。
著書にもあるように、人間の体温の意味や大切さから、毎日口にする食べ物や水について、体の声を聞いて自然体に戻れば良いと非常にシンプルです。しかし、現代の日常生活では(ちょっと?)変わった家族だったと思います。
そんな真弓家での幼少の記憶を、よくご質問を受けるQ&Aスタイルで綴ってみました。

トウ子

熱があっても学校が休めなかったって、ホントですか!?

サリー

はい。父は『病を見るな。人を見よ』とずっと言っていました。

トウ子

病を見ずに人を見る…、難しい言葉に聞こえますが😳 一人ひとりの状況をちゃんと見てあげるということでしょうか?

サリー

そうですね!
例えば体温計で出る「数値」などの情報から判断するのではなくて、目の前で熱を出している実際の「私自身」を診てくれていたと思います。

父はよく熱がある時「赤い顔をしている時は青信号、青い顔をしている時は赤信号」とも言っていました。基本、症状が外に出ている時は大丈夫!そんな風に育てられました。むしろ、異物が体内に入り、加熱処理できる身体は素晴らしいということですもんね!

トウ子

とはいえ、高熱だと立っていられなくなっちゃいますよ〜。実際寝込んでしまった、なんてことはあるんですか?

サリー

もちろん、あります😄
でも、身体を温めて、少し休めば元通りになっていることがほとんどでしたね。
小さい時の「42度まで大丈夫」という教えが私には有効に働いていて、今までで最高熱は39,4度ですが、それでも出かけていたくらいでした。

トウ子

めちゃくちゃ強い😂 全てにそういった本質的な意味があるのだと思いますが、それにしてもお話し聞くたびに、かなり一般的な家庭のイメージからはかけ離れている印象が…😅  
ところで、テレビなどは観てましたか?

サリー

テレビはありました。
父と一緒に観ていたのは、日曜朝のクラッシック音楽番組と野球番組。我が家は「一に体育、二に音楽」がモットーで、それぞれが楽器をやっていたことが影響していると思います。基本的にはテレビ番組は「テレビプログラム(プログラミング)」であり、スポンサーありきだということを聞いて育ってきました。

トウ子

社会の仕組みも家庭内で身につけていたんですね。
サリーさんがいろいろお仕事をされる時、お父様にご相談やご意見など聞くことはあったんですか? 

サリー

私にとって、父は一番尊敬している人であり、安心の場だったので、どのようなことも父に話し、相談してきました。

トウ子

意見の相違や、違う見方をしている部分などもあるんですか?

サリー

意見の相違は多々ありました。まわりから見たら「言い争い」に見えることはよくありましたよ(笑)。でも、それはお互いが信頼し合っているからであり、お互いの意見を理解するためのものだと思っていました。この関係は、父と私から生まれたものではなく、父と母の関係性を見て生まれたものです。

トウ子

真弓家のお話しいろいろ、イベントやセッションなどでまた聞けそうです! ありがとうございました😊(編集者)